Mareのビジョンは、幾何学的な原型による遊びである。デザインは、「楕円を底面とする角柱の幾何学的形状」という、単一の明確なコンセプトから生まれている。

このコンセプトが、コレクション特有の「細長く、丸みを帯びたボリューム」を創り出している。

サルジャーニの二つのコレクションは、プロダクトデザインにおける建築的思考の二つの側面を見事に示している。建築家として紹介されるサルジャーニは、Milanoを「グラフィックな記号」「抽象表現」といった二次元的な言語で説明する。これは、建築家が三次元のオブジェクトを最も純粋な線的表現に還元するドローイングの行為に似ている。対照的に、Mareは「楕円を底面とする角柱」「細長く、丸みを帯びたボリューム」といった三次元的なフォルムの言語で語られる。これは、建築家がマッスとボリュームを研究する行為に通じる。したがって、MilanoとMareは単なる二つの水栓デザインではなく、建築原理をプロダクトのスケールに適用するマスタークラスなのである。Milanoが線の純粋性を表現するのに対し、Mareはフォルムの詩情を表現する。これらは、サルジャーニの二元的な才能を示す補完的なペアとして提示されるべきである。

Graphic Lines and Soft Volumes

Mareのデザインの力は、「対比（カウンターポイント）」から生まれる。「柔らかく、分節されたボディの形状」と、「ハンドルのクリーンなカット」が対照をなすことで、製品に強力な個性を与え、そのアイデンティティを確立している。